イギリスへ語学留学するにあたり、授業料、ホームステイ代、渡航費、海外保険代は留学費用として誰もが思いつく部分だと思います。
ところが実際は自分で考えていたよりも費用はかかってきます。
今回は上記に挙げたもの(授業料、渡航費など)以外に、生活してみるとどのようなものに費用がかかってくるのかを自身の体験を元にご紹介します。
食費
基本的にホームステイは朝食と夕食はついていますが、昼食はついていません。食費が留学費用の中でも大きく出費する費目になってきます。
もし1年間昼食を買い続けたり、時には作ったとしても(材料は自分で買います。)1食は5〜10ポンドは必要だと思います。
- 5ポンド×約145円=725円 これを1年間で計算すると、725円×365日=264,625円(2019年1月30日の為替レートで計算)
- 7ポンド×約145円=1,015円 これを1年間で計算すると、1,015円×365日=370475円 (2019年1月30日の為替レートで計算)
- 10ポンド×約145円=1,450円 これを1年間で計算すると、1,450円×365日=529,250円(2019年1月30日の為替レートで計算)
しかし実際は週末はティールームやカフェ、レストラン、パブに入ったりします。1食5ポンド〜10ポンドではすまない事が多いのです。
こういう場所に入ると、ティーなどのドリンクやお水(有料です)も頼んでしまいます。また、チップも必要になってきます。
因みに私が滞在していた時は、1ポンド165円くらいで、帰国前には1ポンド185円になっていました。
- 1ポンド165円の場合は、301,125円(1食辺り5ポンドを1年間で計算)
- 1ポンド185円の場合は、337,625円(1食辺り5ポンドを1年間で計算)
↑上記のように1食辺り5ポンドという単純計算ではなく、5ポンドもかからない日もあったり、週末は12ポンドだったり、と様々です。大雑把な計算ですが私の1年間の食費(昼食代)は、40〜45万円くらいにはなっていたと思います。
私の場合は、平日(月曜日〜木曜日)は5ポンド以内で収める工夫をし、週末(金曜日〜日曜日)にティールームや中華レストランによく行っていましたので、5ポンド〜10ポンド、時々15ポンドくらい使う時もありました。
留学最初の頃は、あまり深く考えずに食費も必要な分を使っていたのですが、1ヶ月くらい経ってくると「これではまずい」と思い始めました。
自分のトータル的な留学費用と相談して、食費と娯楽、トイレットペーパーなどの消耗品を合わせて1ヶ月5万円の予算を立てました。270〜300ポンドのお小遣い(1ポンド165円〜185円で計算・食費含む)と決めて、その後予算内で収めるように努力しました。
数年前にイギリスを旅行した時には、1ポンド約215円でした。サンドイッチ、ヨーグルト、サラダ、飲み物をスーパーで買っただけでも1,500円近くになったり、ティールームやカフェに入ってランチしただけで、3,000円〜4,000円近くかかりました。
為替レートは日々変わるので食費や滞在費も当然変わってきます。この辺りにも気を配って、余裕をもった予算計画を立てれればよいですね。
娯楽費
語学留学しているとはいえ、ずっと英語の勉強ばかりでは息が詰まってしまいます。娯楽は必要ですし、娯楽からも十分に英語を学ぶ事はできます。この部分は学生割引がありますので、お小遣いの範囲(1ヶ月約5万円設定・食費含む)で十分楽しめていました。
日々の娯楽
私が、日々の娯楽として楽しんでいたものはだいたい↓のような感じです。語学学校は月曜日から木曜日までは午後にも授業があるので、ゆっくり遊びに行く時間がありませんでした。帰りに少しシティセンターに寄って、消耗品を買いに行く程度です。
これらの娯楽は週末に行ってました。
- 映画鑑賞代(1ヶ月2回くらい)
- 植物園や各カレッジ、チャペルなどの入場料(1ヶ月4回くらい)
- パント代(滞在期間中ほんの数回)
- ティールーム代(1ヶ月4〜5回くらい)
- ミュージカル鑑賞代(1年間で5回〜6回)
私は、ミュージカル「オベラ座の怪人」が大好きで、行く時は必ずS席をとっていました。約1万円はする席です。これを5〜6回観に行ってましたから、結構な金額にはなりました。この部分は、日々のお小遣いからというよりは、やはりクレジットカード払いにしていました。
その他、コンサートやクラブが好きな人はそういった費用も必要になってきます。
ワンデイトリップ(日帰りバス旅行)
語学学校が、土曜日か日曜日に参加できるワンデイトリップを企画してくれていました。値段もリーズナブルに設定してくれています。行く場所によって異なりますが、15ポンド前後だったかと思います。(バス代のみ。現地での入場料や食費は含まれていません。)ケンブリッジから遠い所は、もう少し高くなります。貸切バスで、ケンブリッジ以外の色々な町、例えばロンドン、オックスフォード、バース、ストーンヘンジ等に連れていってくれました。
集合と解散は語学学校前でしたので、最初の3ヶ月間くらいはこのワンデイトリップを利用して、色々な町へ出かけました。
交通費
ケンブリッジでの生活に慣れてくると、上記にあげた語学学校から行くワンデイトリップではなく、自分自身でコーチ(バス)を使って出かけるようになりました。
シティセンターにコーチステーションがあり使い勝手がよかったので、よくコーチを使って他の場所に行きました。
駅はケンブリッジの外れにあり、自分のホームステイ先からも遠かった事や、コーチ代金より高かったのであまり利用しませんでした。
電車・コーチ共に学生割引もあり、またシングルチケット(片道)よりリターンチケット(往復)の方が安かったり、曜日や時間帯でも金額が変わるので、これらをうまく組み合わせて交通費は安く抑えるようにしていました。
- ケンブリッジ⇆ロンドンのコーチ代金
- ケンブリッジ⇆その他の都市(オックスフォードなど)のコーチ代金
- ケンブリッジ⇆ロンドンの電車代金
- ロンドンでの地下鉄やバスの代金
消耗品費
ホームステイ先では、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品、シャンプー、リンス、石鹸、ボディソープなどの消耗品の提供はありません。全て自分で用意します。
1回購入しておけば、長く使えるので、これらの消耗品も1ヶ月のお小遣いから出していました。
通信費
私が滞在していた頃は、今のようにスマートフォンなどは無かったので、手紙・電話・ファックス・Eメールが主な通信手段でした。友達や家族への手紙、日記がわりに毎日絵ハガキを日本の自宅へ送っていたので、郵便料金は結構かかったとは思いますが、毎月のお小遣いの中から出していました。月々3500円くらいは切手代にあてていました。
今から行かれる方は、ご自分のスマートフォンを持っていったり、長期留学ならばノートパソコンやタブレットを持って行かれるかと思います。その場合は通信費がかかってくることも念頭に入れておかれた方がよいでしょう。
旅行代金
もし、語学留学中に他のヨーロッパ諸国や他のU.K.エリアへ旅行に行くなら、この部分は大きな出費となるかと思います。
私がイギリスに滞在している間に行った国は3カ国です。
- パリへ3泊4日 学割で約10万円
- イタリアへ9泊10日 学割で約15万円
- ベルギーへ3泊4日 学割で約10万円
旅行代金の記憶は昔の話でかなり曖昧ですが、このくらいだったと思います。学割がきいたのと、宿泊先に豪華な所を選ばなかったので、食費やお土産など全て込みでこのくらいの値段ですみました。
とにかく、日本から行くより安い!と、とても強く思ったものです。
パリとベルギーは、ケンブリッジの旅行会社で飛行機+宿泊+朝食付きのパッケージを頼みました。イタリアのみ、飛行機の往復チケットを購入し、宿泊は語学学校で友達になったイタリア人の女の子の家に泊めてもらったり、現地インフォメーションセンターで探しました。
この他、日本から行くとかなり遠いイスラエルやエジプトにも行きたかったのですが(イギリスからですと飛行機を約5時間くらいでエジプトに行けるそうです。)ビザや宿泊場所の関係で断念しました。
又、結局行かなかったのですが、7月や8月に友達からチェコ、オランダ、エジンバラに一緒に行こう、と誘われました。しかし、9月から始まるファーストサティフィケイトという英語試験のコースにどうしても入りたかったので、7月と8月は英語の勉強をしなければならない、と思い込んでいました。
このようにヨーロッパ圏内にいますので、自然と他の国も行ってみたい気持ちになったり、誘われたりします。そして語学留学からかなり年月が経った現在、語学学校ばかりに通うのではなく、誘われた国、行きたかった国へ行っておけばよかったと思っています。
ケンブリッジから一番近くにロンドン・スタンステッド空港があり、シティセンターからバスで小1時間あれば到着します。ロンドン・ヒースロー空港よりも規模は小さく、そして混雑もしていないので利用しやすいです。私は、スタンステッド空港からベルギーとイタリアへ行きました。(当時スタンステッドから行ける国を選んだとも言えます。)
是非旅行費用の予算を立てて置くことをお勧めします。
衣料費
留学当初は、3セットの衣類(上下)と上着、下着類を持って行ってました。長期留学になると季節も変わり、コートを持っていなかったので、バーバリーのダッフルコートを買いました。
下着類はスーパーで買い換えたのですが、まとめて購入したせいか意外に高かった記憶があります。
日本とは違う現地のファッションが素敵に思えて、Accessorizeという雑貨ショップでつい色々と購入しました。(帽子など)
ケンブリッジというアカデミックな場所にいると、何故か「Cambridge」と胸の部分に大きく書いたトレーナーが欲しくなり、買ってしまいました。
それから、イギリスは1日の天気の移り変わりが結構あるので、雨にあっても大丈夫なビニールコーティングされたコートも現地で買い足しました。
1ヶ月に設定したお小遣いの範囲内では、さすがにこれらの衣料費をまかなうことはできず、クレジットカード払いにし、日本の銀行口座から自動引き落としということにしていました。
1年間で15万円近くは衣料費で費やしたと思います。ただ、この中にはバーバリーのダッフルコートが入ってますので、高額になっています。
本代
私が通っていた語学学校にはそこに置いている本が購入できる小さな図書室があり、司書の役割をしている先生(英語も教えている)もいました。
帰国前に、日本に帰っても自分で勉強できるような英語学習の本やワークブックを何冊か選んでもらって購入しました。もちろん、語学学校に通っている間にも、宿題以外にするワークブックも必要になります。
又、美術館へ行く度にそこで図録を購入したり、本屋さんでも時々気晴らしに本や雑誌を購入したりしていました。
これらの本代はまとめてもそれほど高額ではありませんが、多く見積もって3万円くらいにはなったと思います。
検定料
語学学校に在籍している間に、5つの種類の英語試験を受けました。この検定料は授業料には含まれていませんでしたので、別途用意する費用となりました。
- THE OXFORD EXAMINATION IN ENGLISH AS A FOREIGN LANGUAGE
- THE OXFORD-ARELS EXAMINATION IN SPOKEN ENGLISH AND COMPREHENSION
- FIRSTCERTIFICATE IN ENGLISH
- IELTS
- CERTIFICATE IN ADVANCED ENGLISH
合わせて数万円にはなったかと思います。
お土産代
イギリスに語学留学するにあたり、親戚からお餞別を頂きました。また、友達数人がイギリスまで会いに来てくれましたので、その方達にお土産を買いました。
親戚には紅茶やクッキー、イギリスに来てくれた友達には紅茶の他にピアノの楽譜、洋書、テディベアのぬいぐるみ等をお土産として用意しました。
その他の友達にはやっぱり紅茶、父にはバーバリーのセーター、母にはイタリア旅行の際に購入したフェラガモの鞄を買いました。
自分へのお土産としては絵画鑑賞が好きでよく美術館へ行っていましので、ポスターなどミュージアムグッズを色々と買った記憶があります。
この部分は数万円程度かかったかと思います。
送料
さて、私が帰国前に一番「痛い出費」つまり、想定範囲外の出費だったのは送料でした。帰国前には、本やお土産など荷物が増えていました。これらの荷物を段ボールに詰めて、1箱ずつ郵便局へ自転車で運び、5箱くらいSAL便で日本へ送りました。
その送料が約10万円くらいかかったと記憶しています。
SAL便とは・・・日本国内とイギリス国内は船便として扱い、両国間は航空輸送するので船便より早く航空便より安くなるサービスです。
因みに日本からイギリスへは大きめの段ボール1箱をホームステイ先に送り、送料は15,000円くらいだったと記憶しています
まとめ
結局1年間の生活費はどのくらいになっているのでしょうか。まとめてみました。(1ポンド165円〜185円で計算)
費目 | 金額 |
食費(昼食代) | 合わせて約60万円 |
娯楽費 | |
交通費 | |
消耗品費 | |
通信費(切手代、ファックス、電話代) | |
旅行代 | 約35万円 |
衣料費 | 約15万円 |
本代 | 約3万円 |
検定料 | 数万円 |
お土産代 | 約6〜7万円 |
送料 | 約10万円 |
その他(医薬品、医療費、化粧品など) | 数万円 |
合計 | 約130万円 |
1年間のイギリス語学留学で使った生活費は合計で約130万円〜140万円になりました。
よく使っていますね・・・。
その他の出費
この他、化粧品代や、もし病気になった時の薬代、病院代がかかる場合もあります。私の場合は、皮膚が弱くて特定の化粧品を使っていましたので、化粧品は現地で買わずに最初半年分くらいを日本から送っておきました。又、留学の途中でも日本の家族からイギリスへ追加で送ってもらいました。
最初は自転車も購入しましたので、上記のトータル金額よりもさらに余裕を持たせた金額が必要です。
「今度いつこのような体験ができるかわからない」と思って、節約はあまりしませんでした。むしろ、1ヶ月のお小遣い(約5万円・昼食費込み)を少しくらい超えてしまっても大丈夫なようにしていました。お陰ですごく楽しめたと今でも思います。
海外生活で生活費にゆとりがないのは、ストレスが溜まりやすくなる原因にもなります。
衣料費、旅行代金、お土産代など高額なものはクレジッットカードで支払って、引き落としは日本の口座からにし、日々の食費や娯楽費はイギリスポンドが必要なので、イギリスの銀行口座に送金してもらいました。
このように、銀行口座の使い分け、日本円とイギリスポンドの使い分けが必要になってきます。
そして、帰国前にイギリスから荷物を送る送料は見落としがちな費目です。
是非この辺りも念頭に入れて、ゆとりのある留学費用計画を立てれると安心です。
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